2013.03.03 Sunday
カセットガス 低温時の使用・ガスの種類について
先日、寒い冬の朝、琵琶湖湖畔で息子とアウトドア朝ごはんをしたときのこと。
温かい飲み物を飲もうとバーナーでお湯を沸かし始めたが・・・、何時まで待ってもお湯が沸かない。
ガス栓を最大放出にしても、全然火力が出ない!という事態に陥りました。
普段は全くきにしなかったんですが、これって一体なんだろう?と疑問に思い、少し調べてみました。
まずは、LPガス(カセットガスの中のガス)について調べてみました。
市販されているカセットガスには、「ノーマルタイプ」と、「プレミアム(パワー)タイプ」があり、それぞれ中に含まれるガスの種類が違うことになります。
基本的に含まれるガスは、以下の「ブタン」、「イソブタン」、「プロパン」の3種類です。
それぞれ単独、または混合によって「ノーマルタイプ」か、「プレミアム(パワー)タイプ」に違いがあります。
ガスの種類と性質(日本LPガス協会のLPガスの性質より)
沸点:液体が気化するときの温度です。低い程、低温でも気化(ガス化)します。
C=K - 273.15として計算しています。
ガス比熱:圧力または体積一定の条件で、単位質量の物質を単位温度上げるのに必要な熱量のこと。
表から読み取れることとして、沸点(摂氏)が低い程、低い気温でも液体のガスが元気に気化します(吹き出す)。
つまり、ブタンは-0.5度(摂氏)なので、寒い日はガスがほとんど噴出さない状態になります。
逆に、プロパンは-42.04度(摂氏)でも気化するってことですね!
これは目からウロコ。全く知らないで「なんでや〜」といってたということです。
また、調べてみて思ったことは、ガス比熱がそれぞれのガスでほぼ同じということ。
これは、一定条件のもと、同じ量のガスで発生させることができる熱量なのですが、どのガスを使っても、同じ量では同じ熱量しか出せないということですね。
【まとめ1】
・ガスは気化する温度に違いがあり、ブタン→イソブタン→プロパンの順で低くなる。
・同じガス量で発生させられる熱量はどのガスでもあまり変わらない。
・プレミアム系ガスは噴出量が多いため、早く無くなりやすい。
つづいて、「ドロップダウン」という現象。
こちらは、ガスが気化する瞬間に熱を奪う現象を言います。
カセットガスを使っていると、非常に冷たくなる例のあれです。
この「ドロップダウン」が起きると、ガス缶およびガスの液体自体の温度が下がり、さらに気化が滞ります。
ガス缶の温度低下を防ぐ「パワーブースター」、「レギュレーター」という機構を備えたバーナーもあります。
そういった機能が無いバーナーの場合は、良いガスを使うのが良いかと思います。
「パワーブースター」は、バーナーの熱を使って物理的に缶を温め、「ドロップダウン」を防ぐというもの。
「レギュレーター」は、ガスの圧縮率を替えて、高火力を維持する、、、というもの。
実はあまり原理を理解していません。
(「パワーブースター」は原理的に分り易いんですが・・・)
【まとめ2】
・ドロップダウンにより、気温よりもガス缶が冷える。
・ガス缶の冷えにより、気化するために必要な温度が得られない可能性がある。
最後に、カセットガスのメーカー/製品別の違いをまとめてみました。
「プロパン100%で最強じゃね?」という意見もありますが、ガス内部の圧力が高くなりすぎるため、ブタン等を混合して破裂を防いでいるんですね。
また、沸点温度の低い/高いガスの混合ガスの場合、先に沸点温度の低いガスが気化して、高いガスが使い残しとなってしまう可能性があります。この辺もポイントですね。
メーカー別製品とガスの混合比率
【総括】
・秋〜春先まではプレミアム(パワー)タイプのガスが有効。
・春〜夏はノーマルタイプのガスで十分。
・良いガスを使うからといって、熱量が多いわけではない。(噴出量が多いだけ)
温かい飲み物を飲もうとバーナーでお湯を沸かし始めたが・・・、何時まで待ってもお湯が沸かない。
ガス栓を最大放出にしても、全然火力が出ない!という事態に陥りました。
普段は全くきにしなかったんですが、これって一体なんだろう?と疑問に思い、少し調べてみました。
まずは、LPガス(カセットガスの中のガス)について調べてみました。
市販されているカセットガスには、「ノーマルタイプ」と、「プレミアム(パワー)タイプ」があり、それぞれ中に含まれるガスの種類が違うことになります。
基本的に含まれるガスは、以下の「ブタン」、「イソブタン」、「プロパン」の3種類です。
それぞれ単独、または混合によって「ノーマルタイプ」か、「プレミアム(パワー)タイプ」に違いがあります。
ガスの種類と性質(日本LPガス協会のLPガスの性質より)
ガスの種類 | 沸点 (ケルビン) |
沸点 (摂氏) |
ガス比重 | ガス比熱 (298K定圧) |
ブタン | 272.65K | -0.5C | 2.0749 | 1.6581kJ/(kg・K) |
イソブタン | 261.43K | -11.72C | 2.0687 | 1.6657kJ/(kg・K) |
プロパン | 231.11K | -42.04C | 1.5496 | 1.6673kJ/(kg・K) |
C=K - 273.15として計算しています。
ガス比熱:圧力または体積一定の条件で、単位質量の物質を単位温度上げるのに必要な熱量のこと。
表から読み取れることとして、沸点(摂氏)が低い程、低い気温でも液体のガスが元気に気化します(吹き出す)。
つまり、ブタンは-0.5度(摂氏)なので、寒い日はガスがほとんど噴出さない状態になります。
逆に、プロパンは-42.04度(摂氏)でも気化するってことですね!
これは目からウロコ。全く知らないで「なんでや〜」といってたということです。
また、調べてみて思ったことは、ガス比熱がそれぞれのガスでほぼ同じということ。
これは、一定条件のもと、同じ量のガスで発生させることができる熱量なのですが、どのガスを使っても、同じ量では同じ熱量しか出せないということですね。
【まとめ1】
・ガスは気化する温度に違いがあり、ブタン→イソブタン→プロパンの順で低くなる。
・同じガス量で発生させられる熱量はどのガスでもあまり変わらない。
・プレミアム系ガスは噴出量が多いため、早く無くなりやすい。
つづいて、「ドロップダウン」という現象。
こちらは、ガスが気化する瞬間に熱を奪う現象を言います。
カセットガスを使っていると、非常に冷たくなる例のあれです。
この「ドロップダウン」が起きると、ガス缶およびガスの液体自体の温度が下がり、さらに気化が滞ります。
ガス缶の温度低下を防ぐ「パワーブースター」、「レギュレーター」という機構を備えたバーナーもあります。
そういった機能が無いバーナーの場合は、良いガスを使うのが良いかと思います。
「パワーブースター」は、バーナーの熱を使って物理的に缶を温め、「ドロップダウン」を防ぐというもの。
「レギュレーター」は、ガスの圧縮率を替えて、高火力を維持する、、、というもの。
実はあまり原理を理解していません。
(「パワーブースター」は原理的に分り易いんですが・・・)
【まとめ2】
・ドロップダウンにより、気温よりもガス缶が冷える。
・ガス缶の冷えにより、気化するために必要な温度が得られない可能性がある。
最後に、カセットガスのメーカー/製品別の違いをまとめてみました。
「プロパン100%で最強じゃね?」という意見もありますが、ガス内部の圧力が高くなりすぎるため、ブタン等を混合して破裂を防いでいるんですね。
また、沸点温度の低い/高いガスの混合ガスの場合、先に沸点温度の低いガスが気化して、高いガスが使い残しとなってしまう可能性があります。この辺もポイントですね。
メーカー別製品とガスの混合比率
メーカー | 名称 | 混合比率 | 所感 | リンク |
新富士バーナー(SOTO) | SOTOレギュラーガス | ブタン100% | いわゆるレギュラーガス系です。各社から様々なものが出ており、基本的にはブタン100%です。個人的な感想ですが、低温時にはほとんど役に立ちません。ただ、夏場のキャンプではこちらで十分ですので、値段で選ぶのが手っ取り早いと思います。 | |
ユニフレーム | プレミアムガス | イソブタン 90% プロパン他 10% |
イソブタンが含まれているため、低温時にも強いです。上記、沸点-11度と記載しましたが、ドロップダウンを考慮すると0度付近での使用を前提とした方が良いかも。冬場の低地向けでしょうか。 | |
新富士バーナー(SOTO) | パワーガス | プロパン 30% ブタン70% |
プロパンが含まれるため、低温時でも火力は良いです。あくまで感想ですが、冬場は殆どプロパン部分が燃焼していて、ブタン部分は残ってしまうような気がしています。(段々火力低下しているような・・・) 同社のバーナーはパワーブースターや、レギュレーターを実装しているものがあり、併用を前提とされた製品なのかなぁと思います。 |
【総括】
・秋〜春先まではプレミアム(パワー)タイプのガスが有効。
・春〜夏はノーマルタイプのガスで十分。
・良いガスを使うからといって、熱量が多いわけではない。(噴出量が多いだけ)
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